
飲食店の開業で必要なものって何?
初めて飲食店の開業を考えたとき、必要な資格や設備、備品にどのようなものがあるのか、スラスラとは出てこないものです。今回は、開業時に最低限必要な2つの資格や、オープン時に準備しておきたい設備と備品について、わかりやすく紹介していきます。
飲食店の開業に必要な資格
飲食店を開業する際に、最低限必要な資格は、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つです。「調理師免許」がないと飲食店を開業できないのでは? と思われがちですが、飲食店の開業の際、調理師免許は不要です。
必要な資格のひとつである「食品衛生責任者」は、食品衛生上の管理運営に当たることを職務とし、各店舗に必ず1名は必要な資格です。1日間の講習を受けることで、誰でもすぐに取得できる比較的簡単な資格です。取得にかかる受講料は10,000円(2022年現在)で、各都道府県の食品衛生協会で実施されています。そして、店舗の収容人数が30名以上の場合に必要なのが、「防火管理者」の資格です。この資格には、2種類があり、店舗面積によって防火管理の資格の種類が分かれています。300平米以上の場合は「甲種防火管理者」、300平米未満の場合は「乙種防火管理者」の資格が必要となり、講習は、日本防火・防災協会が実施します。受講料は7,000~8,000円ほどで、講習期間は甲種が2日、乙種が1日となります。ただし、「甲種防火管理者」の資格があれば、「乙種防火管理者」の資格は必要ありません。
飲食店の開業に必要な届け出
資格に続き、飲食店開業の際には、その規模の大小にかかわらず、さまざまな届け出が必要となります。保健所や消防署、税務署、警察署などへの届け出の中で、はじめに取り掛かるのが「飲食店営業許可申請」です。飲食店をオープンする地域を管轄する保健所で、「飲食店営業許可書」の取得手続きを行いましょう。また、深夜12時以降もお酒を提供する場合は、「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を開店予定日の10日前までに警察署へ届け出る必要があるので、余裕を持って取得しておくといいでしょう。
そのほか、消防署へは、収容人数30名を超える店舗に必要な「防火管理者選任届」、建物や建物の一部を新たに使用し始める場合は「防火対象設備使用開始届」、火を使用する設備を設置する場合の「火を使用する設備等の設置届」。税務署へは、「個人事業の開廃業等届出書」。社会保険事務所には、「社会保険の加入手続き」。労働基準監督署には、「労災保険の加入手続き」。公共職業安定所には「雇用保険の加入手続き」などがあり、開業する業種や、諸条件によって必要な届け出の申請を行ってください。
飲食店の開業に必要な設備
厨房(冷蔵庫、食器棚など)
飲食店にとって最も大切な場所となるのが「厨房」です。調理をする場所ということはもちろんですが、食材を管理したり、食器や調理器具を収納したり、食器を洗うといった、飲食店の核となるさまざまな工程を、しっかりと行える設備が必要となります。十分な作業スペースを確保できる調理台や、できれば2槽以上のシンク、食材の量に合わせた冷蔵庫や冷凍庫に製氷機、提供するメニューに沿った機能や火力を持つコンロ、ガスオーブン、出し入れしやすい食器棚など、それぞれの機能を見極めながら店舗にあった設備を準備していきましょう。そして、厨房設備を設置する際は、従業員の動線を意識して、作業の妨げにならないように設置することが大切です。清潔さが求められる厨房だけに、清掃がしやすい配置を意識することも必要です。
空調・音響・照明設備
「厨房」とともに、お客様に気持ちよく過ごしていただくための店舗設備も重要なポイント。そのために必要なのが「空調」「音響」「照明」の設備です。空調選びは客席、厨房を快適な状態に保つ冷暖房はもちろん、昨今のコロナウイルスをはじめとする感染症対策としての換気機能も大切です。また、店舗の雰囲気作りに欠かせないのが「音響」です。味気ない空間とならないよう、店舗イメージにふさわしいBGMを選ぶのも大切ですが、知っておきたいのは、店舗でBGMを使用する場合は著作権料が発生するということ。USENをはじめとした各種BGMサービスの多くは、使用料に著作権料が含まれていますので、それぞれ好みにあったサービスを利用するのがオススメです。そして、理想の店舗作りのためにもうひとつ大切なのが「照明」です。「カフェ」「レストラン」「居酒屋」など、それぞれの業態に適した明るさはもちろん、太陽光、電球色、ろうそくの炎の色など、イメージに合った照明を選ぶことで、お店をより理想のイメージに近づけられるでしょう。
飲食店の開業に必要な備品
店舗開業に必要な備品は多岐にわたります。看板やレジなど大きなものから、調理器具など細かなものまで数多くあるため、事前にしっかりとリストを準備し、開店前に慌てないように準備していく必要があります。食器は、色々なタイプのものを準備したくなりますが、オープン当初は最低限必要なものだけを揃えて、徐々に増やしていくほうが資金面を考えてみてもベストと言えるでしょう。
店舗全体
店舗全体では、お店をアピールするのに必要な看板や、レジをはじめ、レジ周りで必要な、クレジット決済や電子マネー決済用の端末、釣銭用のトレーや電話、FAX、小型金庫、コインケース,文房具などから、ゴミ箱、洗剤、アルコール消毒、掃除用具、サニタリーボックス、洗面所用の石鹸やペーパータオルなどの衛生用品、また、従業員のためのロッカーやユニフォーム、名札、タイムカードリーダーなども必要です。
食器
テーブルを彩る食器類。料理の種類や使用する用途によって適切な選択が必要です。グラスひとつとっても、水用のグラス、ワイングラス、ビールグラス、ビールジョッキ、ピッチャー、カクテルグラスなどその種類は多種多様です。まずはお店にとって最小限必要なものを準備していきましょう。
客席用備品
客席用の備品としてまず必要なのは、椅子とテーブルです。そのほか、メニュー、メニュー立て、カトラリー入れ、調味料入れ、伝票、伝票立て、紙ナプキン、ケース、おしぼり、つまようじなど、テーブル上に必要なものから、荷物入れや傘立てなど、お客様側の目線であると便利なものもしっかり備えたいところです。
調理器具・調理用品
包丁、まな板、鍋、フライパン、スライサー、ミキサーなどの器具や、ざる、ボウル、フライ返し、トング、レードル、菜箸、バット、保存容器、ラップ、アルミホイル、ペーパータオル、はかり、軽量カップ、スプーンなど、調理する上で必須の調理器具や用品は、買い忘れることも少ないはずです。忘れてはならないのが衛生対策用品。アルコール消毒液や、使い捨て手袋、洗剤類など、きっちり準備することで、気持ちよく開店を迎えられることでしょう。
ユニフォーム
店舗開業の備品として欠かせないのが、レストランのコックコート、カフェのエプロン、居酒屋のハッピなど、店舗のコンセプトに合わせた従業員のユニフォームです。店舗のイメージに大きな影響を与え、従業員のモチベーションアップにもつながるユニフォームですが、オーナーにとってその管理は面倒なもの。そんな時にオススメなのが、ユニフォームレンタルです。衛生面に配慮した定期的なクリーニングやしっかりとしたメンテナンス、ユニフォーム購入時にかかる初期費用の軽減など、レンタルシステムの導入には多くのメリットがあります。
(参考)
備品リスト(※業態によって必要なものをお選びください)
店舗全体 | 食器 | 客席用 | 調理器具・調理用品 |
時計 | 平皿 | メニュー | 包丁 |
レジ | 深皿 | テーブル | まな板 |
釣銭用トレー | 小皿 | イス | 鍋 |
電話 | 耐熱食器 | カトラリー入れ | フライパン |
パソコン | グラス | 調味料入れ | ざる、ボウル |
看板 | ティーカップ | 伝票、伝票立て | フライ返し |
暖簾 | コーヒーカップ | 傘立て | トング、レードル |
アルコール消毒 | 湯呑 | 入り口用マット | 菜箸 |
清掃用具 | ピッチャー | おしぼり受け | 保存容器 |
小型金庫 | フォーク、スプーン | 荷物入れ | ラップ、アルミホイル |
コインケース | はし、はしおき | 紙ナプキン、ケース | ペーパータオル |
電卓 | 汁椀 | おしぼり | はかり |
文房具 | 茶碗 | つまようじ | 軽量カップ、スプーン |
ゴミ箱、ゴミ袋 | どんぶり碗 | 使い捨て手袋 | |
トイレットペーパー | 子供用食器 | スライサー | |
タイムレコーダー | ミキサー | ||
タイムカード | バット | ||
印鑑 | 洗剤類 | ||
クレジット端末 | |||
店員用ロッカー | |||
ユニフォーム | |||
名札 | |||
洗面用石鹸 |
まとめ
今回は、飲食店の開業時に必要な設備や備品について解説してきました。オープン直前に書類の不備などで慌てないためにも、各種申請については余裕を持って進めるといいでしょう。そして、オープン時にはまず必要な設備と備品をしっかりリスト化して整理しながら、無駄のない準備をしていきたいですね。
ユニフォームレンタルという選択肢はいかがですか?

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