組織に存在するさまざまな規則。合理的か理不尽かは納得できているか否かで決まる

9月に入り、暑さに夏の名残を感じつつも、風や日差しには少しずつ秋の気配が漂います。コロナが落ち着き、ようやく思いきり楽しめる夏でしたが、皆さんはどのように過ごしましたか？あまりに暑かったので、外出を控えた人も多かったことでしょう。

今年は夏の甲子園がいつも以上に盛り上がりましたね。優勝校が髪型自由だったことから、高校球児の丸刈りについても、いろいろな意見が巻き起こりました。私は個人的に、丸刈りについて、選手当人たちよりも周囲が騒がしくしていた印象を受けました。甲子園を目指してハードな練習を積み重ねている選手たちにとって、丸刈りが合理的なのかもしれないと思ったからです。汗が髪の毛を伝って落ちるのが不快だったり、練習後の入浴時間を短くするためだったり、散髪に行くのが面倒だったりと、あえて丸刈りを選んでいる選手もいるのではないでしょうか。

私が高校を選ぶ時、ファッションの校則が厳しくない学校を志望しました。公立で校則の厳しくない高校となると、当時は勉強も頑張らなくてはならなかったのですが、ピアスとパーマを楽しみたいという気持ちだけで乗り切り、無事に合格できました。高校の入学式には、ピアス＋パーマに加え軽くメイクもして臨み、同じ新入生からは留年した人と間違われたのも、今は笑い話です。

ところが、私は数ある部活の中でも厳しくて有名だった水泳部に入部。髪型も自由だし、ピアスやアクセサリーも練習の時に付けていなければOKでしたが、1年生はハードな練習の後に片付けをしなくてはならず、練習後から下校時間までの時間が恐ろしく短かったのです。当然、髪の毛からは水が滴り落ち、アクセサリーを付け直す時間もなく、場合によってはスカートのホックを締めながら走って校門を出るような状況でした。そこで、私はあんなにもこだわっていた髪の毛を切ることにしたのです。しかも、ハサミではこれ以上切れないというくらいの超ベリーショートを選択。誰に言われた訳でもなく、ロングヘアのままの同級生もいましたが、私は合理的なヘアスタイルを選んだのです。ベリーショートではありますが、登校時にはワックスで毛先を整え、しっかりオシャレも楽しみました。

学校や企業、店舗など、組織に入ると、さまざまな決まり事があります。制服や髪型、アクセサリーやネイルの規定など、人によっては窮屈に感じることもあるでしょう。

規則の内容を知っていて入ったのか、知らされずに入ったのかによって、規則を守らなければならない側の受け取り方は大きく違うと思います。また、なぜその規定や規則が決められたのか、経緯や理由を併せて知らせておけば、納得の上で気持ちよくルールは守られるのではないでしょうか。それでも受け入れられない規則については、勝手に破るのではなく、手順を踏んで廃止の方向に働きかけていくのが、妥当な気がします。