異物混入の防止対策
食品工場・給食現場で起こる
原因と機械トラブル事例、基本原則を解説

食品工場や給食現場では、異物混入の防止は最重要課題の一つ。異物混入は、顧客の健康被害や企業の信頼失墜に直結します。本記事では、異物混入の原因や事例、そして対策の基本原則から具体的な防止策までを徹底解説します。
食品工場・給食現場で異物混入が起こる原因
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原因 |
具体的な内容 |
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従業員によるもの |
身だしなみや持ち込み品のルール違反、作業ミスなどが原因です。衛生帽子や衛生白衣の不適切な着用により、毛髪や体毛、アクセサリーなどが混入することがあります。 |
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害虫・害獣 |
ゴキブリやハエなどの昆虫が代表例です。他にも動物の体毛、羽などが食品に混入するケースがあります。 |
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清掃用品 |
食品を扱うまな板や各種機器と接触する清掃用品の一部が破損すると、異物混入につながります。床や作業台の清掃不備も残留物やゴミの原因です。 |
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設備の老朽化 |
機械や設備の劣化により、部品の破片などが食品に混入することがあります。 |
これらの原因ごとに、必要となる対策は異なります。
食品工場・給食現場で異物混入が発生した事例

実際の現場ではさまざまな異物混入が起きています。代表的な事例を紹介します。
食品に毛髪が混入した事例
惣菜類、寿司、生洋菓子、豆腐、魚肉練り製品などで毛髪混入事例が報告されています。主な原因は、従業員から直接、または従業員の服に付着していた毛髪が落下して食品に混入したケースと、製造時に使用する器具や容器に毛髪が入り込み、そこから食品内へ混入したケースです。毛髪は毎日自然に抜けるため、食品工場では特に注意が必要な異物です。
機械トラブルによる事例
乳製品製造・販売企業が、製造ラインの機器ベルト部品の破損による金属線混入の可能性があるとして、約628万個を自主回収しました。混入した異物は、ベルト内にあった長さ18mm、直径0.07mmの金属線で、ベルト部分が破損した際に、金属線が製品に混入したとされています。購入者からのクレームで問題が発覚しましたが、現時点で健康被害は確認されていません。これは、設備管理の不徹底が大規模なリコールにつながった重大な事例です。
食品工場・給食現場の異物混入対策で押さえておきたい基本原則
異物混入を防ぐには「異物混入防止の3原則」を軸にして対策していきます。
第1の原則は「持ち込ませない」です。工場や調理場へ異物となりうる物品を入れない対策を指します。具体的には、手洗いの徹底、アクセサリーや時計などの私物持ち込み禁止、段ボール箱など害虫が発生しやすい素材の製造エリアへの持ち込み制限、防虫対策による害虫の侵入防止などが該当します。
第2の原則は「発生させない」です。作業環境内で異物を生じさせない管理を意味します。定期的な清掃の実施、機械設備の適切なメンテナンス、破損した道具の早期交換、作業手順書の作成と徹底などがこれにあたります。
第3の原則は「取り除く」です。万が一異物が混入した場合、それを検出し除去する仕組みです。目視検査の徹底、金属探知機やX線検査機の導入、従業員の食品衛生意識を向上させるための教育などが含まれます。
これら3つの原則を守ることで、異物混入のリスクを大幅に低減できます。
食品工場・給食現場で有効な異物混入の防止対策
基本原則を踏まえ、現場で実践できる具体的な対策を紹介します。
毛髪や体毛の落下を防止できるユニフォームを着用する

毛髪や体毛の混入を防ぐためには、適切な専用ユニフォームの選択が重要です。作業中に袖から毛髪が落ちるのを防ぐには、上衣の袖口部分にインナーが縫い付けられているものが効果的。ズボンの裾にインナーカバーが付いているタイプは、靴下や脚部からの体毛落下を防止します。帽子についても、首元まで覆う深めの設計で内側にメッシュがあり、髪の毛を完全に収納できる製品などを選びましょう。
作業前に身だしなみの確認を徹底する

毎日の作業開始前に、身だしなみチェックを習慣化することも重要です。毛髪・体毛落下防止機能が付いたユニフォームは、正しい着用方法を守りましょう。鏡の前でユニフォームが正しく着用できているか、汚れやほつれがないか、帽子から髪が一本も出ていないかを確認します。粘着ローラーでユニフォームのホコリや毛髪を除去する工程も欠かせません。相互チェック体制を導入し、同僚同士で背中や肩など自分では見えない部分を確認し合うとより効果的です。また、チェックリストを用いて記録に残すことで、確認漏れを防ぎ、意識の向上にもつながります。
「ユニフォームの正しい着用方法」については、以下のリンクからポスターをダウンロードできます。ぜひご活用ください。
作業中に顔や頭部を触らない
作業中の行動習慣も、異物混入のリスクを左右する大きな要因です。特に、作業中に顔や頭部を不用意に触る行為は、手に付着した毛髪や体毛、汗などが食品に混入する直接的な原因になります。ユニフォームで覆われているとはいえ、わずかな隙間から毛髪が漏れ出る可能性もあるのです。作業中には意識的に顔や頭部を触らないよう、従業員への教育を徹底する必要があります。やむを得ず触ってしまった場合は、必ず手指の再洗浄と消毒を行い、作業エリアに戻るというルールを設け、徹底しましょう。
まとめ
異物混入は、従業員の身だしなみ、機械の劣化、害虫の侵入などの要因で発生します。「持ち込ませない・発生させない・取り除く」という対策の3原則を実践しましょう。
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