2025.04.24
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衛生管理

食品工場の衛生管理のポイントとは?
HACCP・5S等の安全ルールや洗浄マニュアル・注意点について
(2025年4月24日更新)

食品工場の衛生管理のポイントとは?

食品工場において重要項目のひとつがその衛生管理です。コロナ禍も重なり、より一層徹底した衛生管理が求められる中、そのスローガンとなる「5S」や、衛生管理の指針となる「HACCP」についてなど、衛生管理において必要なポイントをまとめました。

「食品工場を安全に運営するために重要となるルール」

まずは、食品工場における安全管理の基盤となる重要なルールについて解説します。

「5S」

食品工場の衛生管理のポイントとは?

「5S」とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字「S」からとったもので、製造業やサービス業で利用されている、職場環境の改善や維持のために用いられるスローガンのことです。食品工場において一番重要な「清潔さ」を保つためには、「整理」「整頓」「清掃」が必要。そして、それを実施する基礎として「しつけ」の役割があります。「整理」では、工場内で不要なもの、危険なものを明確にすること。「整頓」では、ものの置き場所や個数、置き方を決め、なくなったときに一目で気付けるようにする。「清掃」では、仕上がりの状態を共有した上で、清掃ルールを決めて実施することが大切です。また、ここでの「しつけ」は、管理者が部下に対して、きつく指導するようなことではなく、「教育訓練」のひとつとして、「教える」「確認する」ことを意味しています。

 

「HACCP」

令和3年6月1日から、原則として、すべての食品等事業者に求められることなったHACCPに沿った衛生管理。「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)」とは、食品原材料の受け入れから最終製品までの工程ごとに、① 微生物、化学物質、金属の混入などの潜在的な危害を分析・予測(Hazard Analysis)した上で、②危害の発生防止につながる特に重要な管理点(Critical Control Point)を継続的に監視・記録する、工程管理のシステムのこと。これまでの抜取検査に比べ、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことができるとともに、原因の追及を容易にすることが可能です。

なお、「HACCPに沿った衛生管理」とは、厳密には大規模な営業者に求められる「HACCPに基づく衛生管理」と、小規模な営業者以上が対応する「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を指しています。

「食品工場で衛生管理を怠ることによる影響」

ここでは、食品工場で衛生管理を怠ってしまった場合に生じる影響について解説します。

「食中毒や異物混入のリスクが高くなる」

衛生管理が不十分な場合、細菌やウイルスによる食中毒や、毛髪や金属片などの異物混入が発生するリスクが高まります。たとえば、不適切な温度管理や不衛生な設備の使用、従業員の不注意などは、食中毒や異物混入の原因になるでしょう。

 

食中毒や異物混入といった問題が発生すれば、消費者の健康を害してしまうだけでなく、企業の信頼を大きく損なうことにもつながります。最悪の場合、工場の操業停止や、企業の倒産につながるリスクもあります。

「食品の安全を担保できない」

食品業界では信頼性が重要であり、衛生管理を怠ると安全を保証できなくなってしまいます。たとえば、アレルギー成分の混入などは、消費者に健康被害を与える可能性があり、深刻な問題となります。

 

前述したHACCPに則った管理を行えば、製造の過程でどの工程にどのようなリスクがあるのかを評価でき、リスクを未然に防ぐことが可能です。製造過程における厳格な衛生基準の遵守が、食品の品質と安全性を保証するための重要な手段なのです。

「社会的信用が低下する」

衛生管理を怠り、消費者や取引先に「食品衛生の意識が低い企業である」と認識されてしまうと、企業イメージがダウンし、売上減少の原因になります。また、もし食中毒や異物混入などの事故が発生してしまえば、企業の社会的信用は大きく損なわれてしまいます。

 

一度失われた信頼を取り戻すことは容易ではありません。特に、大規模な食中毒事件などはニュースで取り上げられることも多く、売上減少や取引停止など深刻な経済的損失にもつながります。

「食品工場の衛生管理における洗浄マニュアル」

食品工場で徹底したい、衛生管理に必要な洗浄マニュアルを紹介します。

「手指の洗浄」

食品衛生の基本である手指の洗浄は、以下の手順で実施しましょう。

 

1. 水で手を流す

 

2. 洗浄剤を泡立て、手のひら、手の甲、指の間、爪の間まで丁寧に洗う

 

3. 親指・手首は反対の手で掴んでねじるように洗う

 

4. 洗浄剤を水で流す

 

5. ペーパータオルやエアータオルで水分を拭き取る

 

6. アルコールで消毒する

 

作業者の手指の汚れは、細菌やウイルスを広げる原因となるため、作業前、トイレ後、休憩後など、適切なタイミングで洗浄しましょう。

 

「調理器具の洗浄」

食品工場の衛生管理のポイントとは?

包丁、まな板、ボウルなどの調理器具は、食材に直接触れるため、常に清潔に保つ必要があります。調理器具は、以下の手順で洗浄しましょう。

 
1. 下洗いをする
 
2. 洗剤で汚れや有機物を丁寧に落とす
 
3. すすぎ残しがないようしっかりすすぐ
 
4. 水気を切り、乾燥する
 
5. 生食する食品・加熱調理後の食品を扱う機器は消毒を行う

 

特に刃物類や容器類は細菌が繁殖しやすいため、高温洗浄や消毒液による殺菌処理を行うことで安全性を確保しましょう。

「調理台の洗浄」

調理台の洗浄について、作業前、作業中、作業後にわけて解説します。

 

【作業前】
1. 汚れやホコリがある場合、中性洗剤で洗浄する

 

2. 生食する食品・加熱調理後の食品を扱う場合は、アルコール消毒する

 

【作業中】
1. 調理する食品が変わる際には、調理台に残ったゴミを捨て水分と細かいゴミをとる

 

2. 水気をペーパータオルや不織布で拭き取る

 

3. 汚れがひどい場合は、洗浄する

 

4. 生食する食品・加熱調理後の食品を扱う場合は、アルコール消毒する

 

【作業後】
1. 食品のカスを取り除く

 

2. 中性洗剤とスポンジで洗浄する

 

3. 流水で台全体を洗い流す

 

4. 水切りワイパーで水気を切る

 

調理台は、使用するたびに適切に洗浄することが重要です。

「排水溝の洗浄」

排水溝は、細菌や悪臭の発生源となりやすいため、定期的な洗浄が不可欠です。以下の手順で洗浄しましょう。


1. 目立つ食品のカスやゴミを取り除く


2. 中性洗剤か除菌洗浄剤をまき、ブラシで洗浄する


3. 排水口の蓋も、洗浄剤で両面を洗浄する


4. 洗剤がなくなるまでしっかりとすすぐ


5. 希釈した塩素系漂白剤を排水口と蓋にまき、約10分置く


6. 排水口全体を、水でよくすすぐ


排水口は汚れが溜まりやすいため、丁寧に洗浄しましょう。

「食品工場の衛生管理における注意点」

食品工場で日々の衛生管理を行うにあたって、特に注意すべき点について解説します。

「手洗い・服装」

食品工場でとても重要な「衛生管理」。その中で、基本となるのが手洗いです。手洗い専用の設備や、手を洗った際の水が食品や資材にかからないようにするなどの環境面を整えた上で、殺菌効果が見込まれる30秒以上の手洗いをしっかりと行いましょう。

また、「清潔な身だしなみ」も求められます。厚生労働省が認めた業種別の手引書や、HACCPを運用するために必要な一般衛生管理においては、食中毒の発生リスクを考慮し、「清潔な衣服の着用」を推奨している例があります。服装が乱れていると毛髪など異物が混入する確率も高まります。

そんなリスクを負わないよう、清潔な服装を保つためにオススメなのがユニフォームレンタルです。定期的なプロのクリーニングで衛生管理が徹底できることはもちろん、顔周りを覆うニットやパイルが付いた帽子や、袖口やインナーカバーのあるユニフォームを選択すれば、毛髪や異物の落下対策にも有効です。また、破損などのメンテナンス、管理も行ってくれるため、オーナー側の負担も軽減。従業員も自身で洗濯をせずに済み、常に清潔なものを身に着けることができるため、気持ちよく仕事を行うことができます。

 

以下のページでは、サニクリーンが提供している食品工場向けユニフォームのポイントについて紹介していますので、ぜひご覧ください。

https://www.sanikleen-uniformrental.com/target/factory/

「工場内の注意事項の徹底」

 

多くの従業員が出入りする工場内では、注意事項を共有し、各人がきちんと順守しなければなりません。工場内では物を食べない、作業台に腰掛けない、アクセサリーは身に着けないなど従業員自身が気をつけることや、ホコリや虫、菌などへの対策として、食品を露出したままにしない、製品や資材を床に直接置かない、冷蔵品や冷凍品を常温で放置しないなどの食品や製品、資材の管理方法、また、使った器具をそのまま放置しない、使用前、使用後の器具の点検などの機械や器具の取り扱いまで、決められたルールを徹底することが肝心です。

「温度管理」

食品工場では、食中毒などの事故の発生を防ぐために、工場内のラインや冷蔵庫などの温度管理も重要です。取り扱う食品によって、保管温度が異なりますが、厚生労働省の『大量調理施設衛生管理マニュアル(平成29年6月16日)』(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000168026.pdf)では、原材料・製品等の保存温度が定められています。食品に適した温度での管理の徹底と、温度計で環境温度を計測し、温度が守られているか定期的に確認することも大切です。

「機器のメンテナンス」

食品工場で使用する機器は、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ってしまった場合、機器不具合で異物混入や品質低下が起こったり、急な故障で製造ラインが止まってしまったりする恐れがあります。

 

定期的な点検、清掃、消毒、必要に応じた修理や交換を行うことで、機器を常に最適な状態に保つことが重要です。不具合がある場合には、速やかに修理または交換するようにしましょう。

「目的の明確化」

衛生管理を行う上で、目的を明確にすることは非常に重要です。目的が曖昧な場合、従業員は何をすべきか、どこまで行うべきかを判断できず、結果として管理が不十分になってしまう恐れがあります。また、食品工場はアルバイトやパートなど、さまざまな立場の作業者が出入りするため、全員に衛生管理を徹底してもらうには目的の明確化が重要です。

 

たとえば「異物混入率をゼロにする」など、具体的な目標を設定することで、全員が一体となって衛生管理に取り組むことができます。

「まとめ」

食品工場での衛生管理について解説してきました。どれも基本的な事柄なので、普段から職場で実施されている内容も多いかと思いますが、それぞれのポイントについておろそかになっている部分がないか定期的に確認しながら、きちんとした衛生管理を行っていくことで、異物混入や食中毒などのリスクを回避できるでしょう。

 

ユニフォームレンタルという選択肢はいかがですか?

サニクリーンのユニフォームレンタルを利用したこのようなメリットがあります
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